BtoB製造業のウェビナー戦略:成果を出すための設計と実践

はじめに:なぜ今、ウェビナーが重要なのか
デジタルマーケティングが主戦場となった現在、BtoB製造業にとって「ウェビナー」は見込み顧客との接点を創出し、商談へとつなげる重要な手段となっています。米国のマーケティング調査会社によれば、BtoB企業の73%がリード獲得のためにウェビナーを活用しており、コンテンツマーケティングの主要手段として確立されています。
しかし、ただ開催するだけでは成果は出ません。視聴者の興味を引き、信頼を獲得し、商談や成約に結びつけるには、明確な戦略と設計が必要です。本記事では、成功事例やメソッドを参考に、製造業に最適化したウェビナー戦略の設計から運用までを解説します。
目次
1.ウェビナーの目的を明確にする
ウェビナーの設計で最も重要なのは「目的の明確化」です。目的が曖昧なまま企画を進めると、コンテンツがブレて参加者の満足度も下がります。代表的な目的には以下のようなものがあります。
- 製品・技術の認知拡大
- リード獲得(リストの新規拡充)
- 既存リードのナーチャリング
- 導入事例・活用事例の紹介による信頼構築
- 展示会やキャンペーンと連動したクロージング施策

目的に応じてターゲット・内容・集客方法・KPIも変わるため、まず「このウェビナーで何を達成したいのか」を社内で合意形成しましょう。
2. ターゲットペルソナの設計とセグメント戦略
成果を出すウェビナーの共通点として「明確なペルソナ設計とセグメント配信」重要な要素になります。製造業であれば、以下のような切り口でペルソナを設計するのが効果的です。
- 職種別(製造部門・設備保全・開発設計・経営層など)
- 業種別(自動車・医薬・食品など)
- 課題別(人手不足、品質管理、自動化、省スペース化など)
- 導入ステージ別(検討初期/比較中/導入直前)

すべての人に向けた「何となく広い内容」というよりは、ターゲットを決めて刺さる内容で配信しましょう。可能であればセグメント別に複数回のウェビナーを展開し、精度の高いリードナーチャリングに活用しましょう。
3. コンテンツ設計:売り込みではなく“価値提供”を
ウェビナー成功の鍵は「売り込み臭のない、有益な情報提供」です。HubSpotの調査によると、視聴者がウェビナーを離脱する理由の第1位は「宣伝色が強すぎること」でした。
製造業では、以下のようなテーマが高い評価を得やすい傾向があります。
- 市場トレンドや法規制に関する最新情報
- 課題解決の方法や技術的な知見
- 導入企業の事例紹介(登壇協力を得られるとベスト)
- 社内の技術者によるノウハウや開発裏話

たとえば、製品紹介を行う場合も、「単なる機能紹介」ではなく「どのような課題に対して、どのように効果を発揮したか」をストーリー仕立てで語ると効果的です。
4.集客戦略:広告・メール・SNSの組み合わせ
ウェビナーを成功させるには、当然ながら「集客」も戦略的に設計する必要があります。以下のチャネルを組み合わせて告知するのが一般的です。
- メールマーケティング(MAツール連携)
- リターゲティング広告(LinkedInやYouTubeなど)
- 展示会・営業との連動告知
- Webサイトでの常設バナー
- パートナー企業との共同集客
特に製造業の場合、展示会やリアル営業との接点を活用してウェビナーに誘導する「ハイブリッド型」の導線設計が有効です。また、過去の参加者リストや既存リードへのパーソナライズ案内も成果に直結します。
5. 運営・配信時の工夫
ウェビナー当日の運営も、視聴者体験を左右する重要な要素です。以下のようなポイントを押さえましょう。
- 45~60分程度が最適(短すぎず長すぎず)
- ライブQ&Aの時間を設けて参加型に
- チャット機能で質問を随時受け付ける
- 機材テスト・進行台本は事前に入念に準備
- 見逃し視聴やアーカイブ配信も必ず提供
また、Zoomなど一般的な配信ツールに加え、ON24やWebex Webinarsなど、BtoB向けの本格的なウェビナープラットフォームを活用することで、視聴データの分析やスコアリングが可能になります。
6.アフターフォローとリードナーチャリング
ウェビナーで得られたリードを活かすには、フォロー体制の設計と運用が成功のカギを握ります。実際、多くのBtoB製造業では「ウェビナーをやった後、営業にどうつなげるか」が課題になりがちです。
✦ アンケートを起点とした効率的なフォローアップ
効果的なフォローには、参加者からのアンケート回答を活用することが非常に有効です。
添付のホワイトペーパー『ウェビナーの企画と運営』でも紹介されているように、アンケートには以下のような項目を盛り込むことで、リードの温度感を可視化できます:
- ウェビナーの満足度(5段階評価)
- 製品・サービスへの興味有無(「詳しい話を聞きたい」「検討中」など)
- 今後聞きたいテーマ
- 導入時期や用途に関する自由記述
このような情報を取得することで、商談化が見込める“ホットリード”を即座に抽出し、営業部門と連携して個別フォローにつなげることができます。
また、満足度や自由記述を分析することで、次回のコンテンツ改善やナーチャリング施策の精度向上にも役立ちます。
✦ 一連のフォローアップ施策
アンケートデータを活用したあとは、以下のような一連のフローでナーチャリングを進めます:
- お礼メール配信(参加者・不参加者別)
・資料・アーカイブURLの共有
・追加質問の受付案内
- スコアリングに応じたフォロー施策
・「すぐに話を聞きたい」層には営業担当が即アプローチ
・「もう少し検討したい」層にはホワイトペーパーや比較資料を送付
- インサイドセールスとの連携
・CRMやMAと連携し、定期的な接点創出と関係構築を継続
このように、アンケート→分類→ナーチャリングの流れをテンプレート化しておくことで、少人数体制の企業でもスムーズに商談化まで導くことが可能になります。

まとめ:ウェビナーは“戦略型マーケティング資産”である
BtoB製造業におけるウェビナーは、「一度開催して終わり」のイベントではなく、リード獲得・育成・営業支援までを担う“戦略型コンテンツ”です。特に日本では、まだ活用が限定的な企業も多く、取り組み次第で競合との差別化につながる余地は大きいといえるでしょう。
成功のカギは、明確な目的設計、ペルソナに寄り添ったコンテンツ、継続的なナーチャリング設計の3点です。海外の先進事例に学びつつ、自社ならではの強みを活かしたウェビナー戦略を構築していきましょう。
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